世界的に有名なイギリスの公共放送、BBCが以下のようなツイートをしました。
“The ayes to the right 330, the noes to the left 231”
MPs vote to pass the Withdrawal Agreement Bill on its final reading in the House of Commons
The bill, which will implement the UK government’s Brexit deal, will now move to the Lordshttps://t.co/aQXZn9q6PL pic.twitter.com/SRCh4MT8PY
— BBC Politics (@BBCPolitics) January 9, 2020
ざっくり言えば、「EU離脱法案が可決された」というニュースです。
これで、イギリスのEU離脱が事実上確定しました。
ところで、EU離脱が可決されたのは下院です。
では「下院」とはなんでしょうか?
「上院」とはどう違うのでしょうか?
このニュースをより深く理解するには、「上院」と「下院」について知る必要があります。
前提知識は一切要りません!
どこよりもわかりやすく解説します!
Contents
【わかりやすく】イギリス 上院と下院の違いは?優越とは?貴族が関係する?任期は?日本との違いは?EU離脱法案が下院で可決!
政治の仕組みを勉強すると、もっと世の中が理解できる!
政治の仕組みは国によって大きく異なります。
普段生活している上では政治の仕組みなんて興味ないですよね。
しかし、世の中が大きく変わるような法律が審議されているときには、非常に重要になってきます。
だって、その辺の近所のおっさんがサイコロ振って「1の目が出たから徴兵制導入するわ!」とか決めてたら怖いですよね。
これは極端な例ですけど、「ちゃんとした方法で法律が審議されているのか?」は重要なのです。
イギリスにとって、EUを離脱するかどうかは非常に重要な問題です。
日本に住む私たちへの影響も小さくはありません。
この機会に、イギリスの政治の仕組みを勉強してみましょう。
イギリスは議院内閣制を採用している国家
イギリスの政治の仕組みは、「議院内閣制」と呼ばれています。
要するに、
- 国民が議員を選ぶ
- 議員が首相を選ぶ
- 首相が内閣を作る
という仕組みです。
日本と同じですね。
イギリスは二院制、つまり「上院」と「下院」がある
イギリス内閣の仕組みは、「二院制」と呼ばれています。
これはその名の通り、「二」つの「院」がある「制」度です。
「院」というのは、話し合いのグループのことです。
2つあるのは、「1つのグループだけで決めたら不安だから、もう1つ欲しいよね」というセンスです。
この二つの院を、「上院」「下院」といいます。
イギリスは二院制発祥の国です。
そして二院制は、今では多くの国で採用されています。
IPUの資料によると、79ヵ国で二院制が導入されています。(2018年のデータ)
世界の約4割の国に相当します。
実は日本も「二院制」です。
「衆議院」と「参議院」がありますよね?
なので二院制です。
ここで、「2つの院に違いはあるの?」という疑問が出てくると思います。
イギリスの「下院」は私たちに近い、「上院」は遠い
イギリスは議院内閣制をとり、その議会は上院と下院にわかれています。
では、「上院」と「下院」の違いはなんでしょうか?
最も大きな違いは、議員になれる条件です。
つまり、「下院」は国民(私たち)に近い院です。
下院は「庶民院」とも呼ばれます。
その名の通り、「庶民」によって構成されるのが下院です。
それに対して、「上院」は国民(私たち)から遠い院です。
上院は「貴族院」とも呼ばれます。
その名の通り、「貴族」によって構成されるのが上院です。
イギリスでは、下院の方が強い(下院の優越)
衆議院のホームページでも説明されていますが、二院制は「国民の意見をちゃんと反映させる」ことができます。
国民の意見に近いのは、庶民によって構成された「下院」ですね。
そこで、下院の方が強い力をもっています。
これを「下院の優越」といいます。
例えば、ある法案が下院で決まったとします。
それに対して、上院が反対したとします。
このように二つの院で意見がわかれた場合、下院の意見を採用します。
「じゃあ上院の存在意味ないじゃん」となりますよね。
ちゃんと上院にも意味はあります。
上院は、下院が決めた法案を先延ばしできます。
下院は任期があるが、上院にはない
下院と上院の違いは他にもあります。
下院には任期がありますが、上院にはありません。
選挙で勝てば下院に入れますが、任期は最大で5年です。
一方、国王に任命してもらえれば上院に入れますが、任期はありません。
また、首相は下院の第一党のトップから選ばれます。
今の首相はボリス・ジョンソンです。
イギリスのEU離脱が下院で可決されたことの意味
イギリスのEU離脱は、下院で可決されました。
上で説明したように、「下院の優越」があります。
つまり、下院の方が強いです。
じきに上院でも承認され、1月末にはイギリスがEUを離脱するでしょう。
イギリスと日本を比較して理解
最後に、イギリスと日本の政治を比較して理解してみましょう。
イギリスと日本の対応は以下のようになっています。
イギリス「議会」=日本「国会」
イギリス「上院」=日本「参議院」
イギリス「下院」=日本「衆議院」
イギリス「下院の優越」=日本「衆議院の優越」
重要な共通点としては、「首相は国民が直接選ぶのではなく、議員が選ぶ」ことですね。
イギリスと日本は、かなり似た政治の仕組みをしていますね。
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