【イラスト付き解説】科学技術サイドのイノベーションが西洋美術に与えた影響3選 (part2)カメラの発明

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美術館への挑戦(西洋美術史)
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こんにちは、ジャパナード田中です。

このブログでは、「暇で貧乏でインキャな日本人」である私ジャパナードが、色々な挑戦をしていきます。

そして、挑戦の過程で手に入れた有益な情報を皆様にお届けしています。

毎日夜7時に更新しています。

 

本記事は[美術館への挑戦]シリーズの4記事目です。

この[美術館への挑戦]シリーズでは、西洋美術史が大好きな私ジャパナードが、美術関連の話題を語ります。

 

本記事は、連載中のタイトル

科学技術サイドのイノベーションが西洋美術に与えた影響3選

の(part2)です。

 

(part1)では、科学の立場から芸術を眺めることの意義を考えました。

(part2)の本記事では、カメラの発明が西洋美術史に与えた影響を解説します。

 

本記事を読んでいただければ、

科学や芸術が人間にとってどういう意味をもつのか

人類の歴史を俯瞰した時に科学と芸術はどう連動してきたのか、

などを考えるきっかけになり、様々な教養が身につきます。

 

昨今のグローバル時代には、科学と芸術は非常に重要な教養の代表格です。

深いテーマ設定ですが、ぜひサクッといきましょう!

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カメラがなかった時代の絵画は、写実性を要求していた

カメラがなかった時代を想像するのは難しい

本記事では「カメラの発明が西洋美術史をどう変えたか?」を解説します。

まずは、カメラがなかった時代はどうだったのか、をみていきましょう。

 

私たちは、カメラという存在を当たり前に思っていますよね。

生まれた時には、(性能の差こそあれ)すでにカメラが普及していたはずです。

ですから、カメラが存在しない世界を想像するのはなかなか難しいですね。

想像を膨らませるために、一つの興味深い絵をみていきましょう。

「写し取る」ことこそが、絵画の起源

ジャン=バティスト・ルノー《絵画の起源》1785年

こちらは、18世紀になって繰り返し描かれるようになったモチーフの絵です。

画面右の女性が、何か岩に描こうとしていますね。

よく見ると、左の男の影がこの女性の指先に投影されていることがわかります。

女性は、男の影を岩になぞりつけているのですね。

実はこの二人は恋人同士で、男はもうじき町を離れるのです。

その姿を忘れないように、せめて岩に影を刻みつけておこうというわけです。

淡い恋心に満ちた作品ですね。

 

ここで面白いのは、この絵のタイトルが「絵画の起源(英語:The origin of painting)」だということです。

西洋では長い間、こうした「影」こそが絵画の起源だと信じられていました。

道具を使って、より正確に写し取る工夫

上でみた「影の写し取り」は、特に道具を必要としない原始的な方法だったと言えます。

人類は道具を使い、より正確な「影の写し取り」を試みました。

具体的には、以下のような仕組みを考えました。

画面左手、箱の外から風景の光が入ってきます。

この光は、箱の中に置かれた鏡で反射し、画家の手元にあるガラスに投影されます。

画家から見れば、外の風景が手元に映し出されるというわけです。

ガラスの上にトレーシングペーパーをおけば、高い精度で「写し取る」ことができますね。

「カメラ」という名前の由来

上に述べた装置は「カメラ・オブスクラ」と名付けられました。

(名付け親はあの有名な天文学者ヨハネス・ケプラーと言われています)

カメラ・オブスクラ(camera obscura)はラテン語で「暗い部屋」という意味です。

現代の我々が使っている「カメラ」はこのカメラ・オブスクラに感光剤を組み合わせたものです。

「カメラ」という名前の由来はここにあったんですね!

補足:ピンホール効果

どうしてこんなことが可能なのでしょうか?

答えは、ピンホール効果を利用しているからです。

ピンホール効果とは、小さな穴に光を通すことで、複数の光線から一つが選び出される現象のことです。

物体の表面はデコボコしているので、光を当てると色々な方向へ光が飛び散っていきます(これを乱反射と言います)。

小さな穴をフィルターとして用いれば、無数にある光線の中からごく一部を選び出すことができ、これを穴の反対側で受け取れば比較的綺麗な像が見れます。

ルネサンス以降の近世絵画は「写実性」を重視していた

日常会話で使う「絵が上手い!」という言葉は、「現実の見た目にそっくり!」という意味ですね。

絵画というのは、3次元の物体を2次元の紙に射影する営みに他なりません。

要するに、「平面の紙の上で、どうやって立体感を出すか」ということがめちゃくちゃ難しいわけです。

イタリア・ルネサンスで活躍した画家(ダヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロなど多数)は、画期的な技法やテクニックでもってこれを成し遂げてきました。

おそらく最も有名なのは遠近法ですね。

遠近法を用いると、紙は平面なのにも関わらず、あたかも立体的に見えるようになります。

このように、人類は写実性をずっと追求してきました。

しかし、それはあるタイミングで終わりを迎えます。

カメラの登場によって、写実性の束縛から解放された

近世が終わり、近代へ

ルネサンスに始まる近世絵画は、新古典主義と呼ばれる芸術運動を最後に幕を閉じました。

つまり、「写実性」を重視する美術観が、あるタイミングで終わりを迎えたということです。

このタイミングは18世紀末〜19世紀初頭、つまりフランス革命の後です。

というわけで、近世が終わりました。

近世が終わると、次は何が来るか?

答えは、近代です。

続くロマン主義やレアリスムが、近代絵画の始まりと言われています。

近代絵画では、「写実性」よりも大切なものがでてきました。

近代絵画は「画家の個性」を重視する

近世絵画において、「写実性」よりも重視されたもの。

それは、「画家の個性」です。

AさんとBさんが見ている景色が同じはずはありません。

 

Aさんは光に対する感受性がBさんよりも強いかもしれません。

Aさんは音に対する感受性がBさんよりも強いかもしれません。

Aさんには世界が明るく見え、Bさんには世界が暗く見えるかもしれません。

 

このように画家それぞれの個性を重視すると、もはや世界を写実的に表現することは不可能になります。

なぜなら、「世界は一つではない」からです。

AさんとBさんとで見えている世界が異なるのだから、写実的に表現するもクソもないわけです。

写実性ではカメラに勝てるわけがない

以上で述べたように、人類はある時期を境に「写実性」という呪縛から解放される道を辿りました。

では、なぜ人類は「写実性」よりも「画家の個性」を重視するように変わったのでしょうか?

この背後には、カメラの普及の影響が指摘されています。

カメラはめっっっっっっっっちゃ写実的ですよね?

だって、人間の目の仕組みとほぼ同じなんですから。

というわけで、人間よりもはるかに正確に、そして素早く、写実的な表現をするデバイスがカメラなのです。

こんなのが登場したら、そりゃ写実性以外を模索したくなりますよね。

 

※当然ですが、「画家の個性」を重視するようになった理由としては、カメラの登場以外にも、様々な要因が考えられます。本記事ではその一説を紹介しています。

カメラに負けた人類は、AIに負けた人類と同じでは?

こうして、カメラに「写実性」で負けた人類は、次なる道を模索していったわけです。

これって、AIに負けた人類が他の道を模索していくのと似ていませんか?

大量の単純作業の素早さでいったら人間はコンピュータに絶対かないません。

そして今や、「経験」や「勘」のようなものですら、人間はコンピュータに負け始めています。

チェスや将棋の世界チャンピオンがAIに勝てなくなった記事は記憶に新しいですね。

 

カメラに負けた人類が他の道を見出だしたのと同様に、

AIに負けた人類は他の道を探し出せるのでしょうか。

このように、歴史を学ぶことで未来を考える補助になるというのは、教養の非常に重要な役割だと思います。

ジャパナードの挑戦はこれからも続く!

今日はここまで!

本記事は、連載「科学技術サイドのイノベーションが西洋美術に与えた影響3選」の(part2)でした。

(part2)の本記事では、カメラの発明が西洋美術史に与えた影響を解説しました。

 

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